【初心者も安心!登山の始め方ガイド】
最適な服装・装備やおすすめの山10選

昨今の登山ブームを見て、登山に興味をお持ちの方が多いのではないでしょうか。この記事では、初めて登山に挑戦する方に向けて必要な装備や服装の選び方、初心者におすすめの山、山歩きのマナーなどについて詳しく解説します。登山に興味のある方はぜひ、ご覧ください。

登山の魅力や楽しみ方とは?

登山の魅力や楽しみ方とは?

たくさんの魅力や楽しみ方がある山登り。自然の空気を吸って吐いて、汗を流しながら山を登っていくことで、日常のストレスから解放され、心も体もリフレッシュできます。頑張って山頂に着いたときには、普段の生活では得難い充実感や達成感が感じられるでしょう。

それだけでなく、山頂まで長時間歩き続けることで、体力強化や基礎代謝の向上など、楽しみながら健康面でプラスの効果が期待できる点も登山の魅力といえます。
また、登山では他の登山者とすれ違ったり会話したりすることもあります。そこにしかない出会いや、会話をきっかけに登山仲間ができることも山登りの楽しみの1つです。

初心者の方は、登山を始める前に服装や装備、山選びのポイント、マナーなどを押さえておくと良いでしょう。以下で詳しく解説します。


登山初心者に必要な服装や装備とは?

登山初心者に必要な服装や装備とは?

まずは、登山初心者が用意しておきたい服装や基本装備を以下にまとめました。

最初に揃えておきたい登山の基本装備

基本的なアイテム例 選ぶポイント
トレッキングシューズ 靴底が厚くてかたいものやハイカットタイプを選ぶ
雨具(レインウェア) 防水性・透湿性に優れた軽量タイプを選ぶ
ザック 体にフィットし、荷物の量にあった容量で防水仕様を選ぶ
帽子 日差しを防ぎ通気性の良いものを選ぶ
ウェア 速乾性・保温性があり、動きやすいものを選ぶ
ヘッドランプ 明るく軽量で電池持ちの良いものを選ぶ

気軽に始められる登山ですが、山の天気は変わりやすく、登山道も険しいため、必要最低限の装備を準備してから始めましょう。トレッキングシューズはねん挫など予期せぬ怪我を予防するために、履きなれたものを使うのがおすすめです。また、ウェアや雨具は山の気候の変化による気温の変化に対応できるよう、軽量で脱ぎ着がしやすいもの、持ち運びやすいものを選びましょう。

日帰りであっても、山ではすぐに日が暮れて、帰り道が分からなくなることがあります。そのため、ヘッドランプも念のため、準備しておきます。ザックは日帰りだと20~30L、1泊だと30~50Lがちょうどよいでしょう。必要なものを入れ、背負ったときに動きやすい物を選ぶのがコツです。

登山ウェアの基本は3つのレイヤリング!

  • ベースレイヤー
  • ミドルレイヤー
  • アウターレイヤー

レイヤリングとは、気候や天気の変化に対応するために、複数の衣類を重ね着することです。登山では、標高100m程度の差で、0.5~0.6℃も気温が変化します。さらに、夏場でも汗をかくと、その蒸発によって体温が奪われてしまい、低体温症などになるリスクがある状況です。そのため、冬場だけでなく、夏場も重ね着をして対応調節を行います。登山ウェアの基本は上記で紹介している3つのレイヤリングです。

ベースレイヤーは、汗で体が冷えないように吸湿速乾性の高い素材が適しています。綿は乾きにくいので避けましょう。
ミドルレイヤーは保温力の高いものがおすすめです。ただし、厚みがありすぎると重ね着しづらいので薄手のフリースやウール地のものを選びましょう。
アウターレイヤーは、ベースレイヤーとミドルレイヤーの熱を外に逃さない役割があります。風や雨に強い素材を選んで、悪天候で体温が奪われるのを防ぎましょう。

季節に合わせて登山ウェアを選ぶ

季節 レイヤリングのポイント
春・秋 ベースレイヤーは長袖で中厚くらいの肌着、ミドルレイヤーにフリースなど保温する。朝晩の冷えに備えて軽量ダウンやウィンドシェルの携帯がおすすめ。
ベースレイヤーは半袖または薄手長袖、ミドルレイヤーに通気性の良い薄手フリースやシャツを着用する。アウターレイヤーは軽量レインジャケットにすると、突然の雨対策にもなる。高山では防寒着を忘れずにザックに入れておく。
ベースレイヤーは保温性の高い厚手メリノウールや化繊、ミドルレイヤーに厚手フリースやインサレーションジャケットを着用し、しっかりと保温する。その上で、アウターレイヤーに防風・防水性の高いハードシェルを着用する。その他、ダウンジャケット、ネックゲイター、グローブ、帽子などの防寒小物の準備も必須

登山を行う季節によって、レイヤリングのポイントは変わります。基本的には、必要に応じて脱ぎ着ができるようにしておくこと、登山する山の標高や登山当日の天気を参考に考えることの2つがポイントです。

汗のかきやすい夏場は速乾性の高いもの、寒さの厳しい冬場は吸湿速乾性の高いものといったように、気候に合わせた素材の衣類を着用しましょう。また、アウターは防風性・撥水性・通気性に優れ、ストレッチ性も高いソフトシェルや化繊インサレーション、軽量なダウンジャケット、ゴアテックス素材などの透湿性と防風性に優れたハードシェルの中から選ぶのがおすすめです。


登山初心者に最適なシーズンとは?

四季によって違う表情を見せる自然を感じられるのも、登山の魅力です。初心者には春から秋にかけての登山がおすすめですので、それぞれの特徴についてご紹介します。

春から夏にかけての登山の特徴

低山なら5月にもなれば若葉や春の花を楽しむことができ、歩くと軽く汗ばむくらいの陽気になることもあります。
ただし2,000mを超える標高では5月でも雪山なので、初心者には厳しい環境です。低くて雪のない山を選ぶことが重要といえます。夏シーズンの魅力は2,000~3,000m級の高山で本格的な登山にチャレンジできるところでしょう。

高所でしか見られない高山植物なども楽しみの1つです。ロープウェイやバスを利用して標高の高いところからスタートすることもできるので初心者の方も高山を楽しむチャンスですよ。しかし、夏でも雨が降れば低体温症になる恐れがあります。防寒対策や雨具の準備は怠らないよう注意が必要です。
また、急な雨が降った場合を考えていつでも登山を中止できるコース選びも重要になります。

秋の登山の特徴

秋は鮮やかな紅葉が楽しめる季節です。9月下旬~10月くらいまでは天気も安定しやすく山登りには絶好の環境となります。
ただし秋の序盤は台風通過や秋雨前線などで天候が不安定になりがちです。局地的な大雨なども発生する可能性があるため、山登りには向かないことを覚えておきましょう。

また、10月以降は高山で降雪、積雪が見られます。初心者には高山への登山が難しくなるため、山選びは低山で雪がないところを注意して選びましょう。冬シーズン登山は上級者向けです。雪山では積雪でルートが分からなくなったり、急な吹雪で視界が極端に悪くなったりといったさまざまな危険が身近に潜んでいます。しっかりとした知識と経験がない初心者は遭難や行動不能になるリスクが高まるため、初心者には冬シーズンの登山は非常に難しいものといえるでしょう。


登山初心者におすすめの山とコース選びのポイント

初心者が登山を始めるにあたって、どれくらいの高さの山を選べば無理なく楽しめるか、選び方が分からない方もいるのではないでしょうか。

初心者が山を選ぶ際注意したいポイントは以下の3つです。

  • 歩行時間と歩行距離
  • 標高差
  • 他にも登山者がいる人気の山

レベルに合った歩行時間と歩行距離が大切

初心者には無理なく日帰りできる登山がおすすめ。そのためにはレベルに合った歩行時間・距離で山を選ぶと良いでしょう。なお、距離が同じでも、標高や地形などの条件によって時間は変わってくるので、歩行時間を目安とした方が初心者にはイメージしやすいかもしれません。1日の歩行時間が3~4時間程度までが初心者向けの山の目安となります。

標高差が高くない山を選ぶ

標高差とは、登山口と山頂の標高の差を指します。標高自体を目安にするより、標高差の大きさが登山レベルを左右することが多いので注意しましょう。初心者は標高差600m以内を目安にコース選びをすると1日の歩行時間を3~4時間程度に留めることができます。

人気の山を選ぶ

登山本やガイドブックなどを参考にすると、初心者におすすめの山がたくさん紹介されています。なるべく観光地や初心者に人気の山から選ぶと、無理なく登山を楽しめるでしょう。


【エリア別】登山初心者におすすめの山10選

関東・関西・東海の3エリアに分けて、登山初心者におすすめの山を厳選してご紹介します。

【関東エリア】初心者登山におすすめの山6選

【東京都】高尾山

【エリア別】登山初心者におすすめの山10選

都心から約50kmでアクセスも良い高尾山。「関東の富士見100景」にも選定されており、山頂からは美しい富士山を眺めることができます。1号路はケーブルカーで途中まで登れるうえ、トイレも設置されているので初心者でも手ぶらで登りやすいのが特徴です。

  • 標高:599m
  • アクセス:京王線高尾山口駅
  • 住所:〒193-0844 東京都八王子市高尾町

【東京都】御岳山

【東京都】御岳山

古くから霊峰として知られる御岳山。御岳山ハイキングコースは、ロックガーデンや七代の滝、武蔵御嶽神社など見どころも豊富です。野鳥や昆虫、植物なども多く見られるため、春から秋にかけて豊かな自然を楽しめます。

  • 標高:929m
  • アクセス:JR青梅線御嶽駅で下車→西東京バス御岳駅よりケーブル下バス停で下車→ケーブルカー滝本駅より御岳山駅で下車
  • 住所:〒198-0175東京都青梅市御岳山

【茨城県】筑波山

【茨城県】筑波山

「西の富士、東の筑波」と称される、日本百名山にも登録されている筑波山。筑波山の魅力を満喫できる、女体山頂を目指す白雲橋コースがおすすめです。弁慶七戻りや北斗岩といった摩訶不思議な奇岩怪石スポットも楽しめますよ。

  • 標高:877m
  • アクセス:JR常磐線土浦駅より路線バスにて筑波山口で下車
  • 住所:〒300-4352 茨城県つくば市筑波

【栃木】那須岳

【栃木】那須岳

日本百名山にも名を連ねる、関東を代表する活火山である那須岳。主峰の茶臼岳は、山頂まで登れば雄大な景色だけでなく、大迫力の噴煙も眺めることができます。ロープウェイで9号目まで登れるので、2,000m近くある山頂まで気軽に挑めるのも魅力です。

  • 標高:1,917m
  • アクセス:東北本線黒磯駅より路線バスにて山嶺駅下車
  • 住所:〒325-0111 栃木県那須塩原市板室

【群馬】赤城山

【群馬】赤城山

最高峰の黒檜山を中心に豊富な登山ルートを持つ、初心者から登山愛好家まで幅広く人気を集める赤城山。地蔵岳山頂からの絶景が楽しめる地蔵岳・見晴山コースは、歩行時間2.5~3時間程度で、登山初心者におすすめです。

  • 標高:1,828m
  • アクセス:上毛電鉄前橋中央駅よりバスにて赤城山ビジターセンター下車
  • ※土日祝日のみ直通バス運行。平日は富士見温泉下車後、赤城ビジターセンター行きに乗り換えが必要です。
  • 住所:〒371-0101 群馬県前橋市富士見町赤城山

【埼玉】宝登山

【埼玉】宝登山

497mの低山で、初心者登山にぴったりの宝登山。桜の名所としても知られており、他にもツツジやしゃくなげなど、季節によって美しい花や紅葉を楽しむことができます。宝登山ハイキングコースは急勾配の道も少なく、家族連れでも気軽に登山を楽しめるおすすめコースです。

  • 標高:497m
  • アクセス:秩父鉄道長瀞駅下車徒歩20分
  • 住所:〒369-1305 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞

【関西エリア】初心者登山におすすめの山2選

初心者登山におすすめの関西エリアの山を2つご紹介します。

【兵庫県】六甲山

【兵庫県】六甲山

阪神間の市街地すぐ北に位置する、東西約30kmの山塊が六甲山。駅からすぐ登山に向かえるコースがたくさんあります。初心者向けの登山コースとしては、妙高院の先の登山口から摩耶山頂を目指すルートや、有馬温泉を起点に六甲山上を目指すルートがおすすめです。

  • 標高:931m
  • アクセス:JR神戸線六甲道駅より神戸市バスにて六甲ケーブル下駅
  • 住所:〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町

【大阪府・奈良県】金剛山

【大阪府・奈良県】金剛山

金剛山は大阪府と奈良県の県境にある標高1,125mの山で、金剛山地の主峰。登山道が整備されており、初心者からベテランまで幅広く親しまれ、年間約50万人が訪れる人気の山です。

  • 標高:1,125m
  • アクセス:近鉄長野線「富田林駅」または南海高野線「河内長野駅」より南海バス「金剛山ロープウェイ前行」に乗車し、「金剛登山口」または「金剛山ロープウェイ前」バス停で下車
  • 住所:〒639-2336 奈良県御所市高天 または 〒585-0051 大阪府南河内郡千早赤阪村千早

【東海地方エリア】初心者登山におすすめの山2選

初心者登山におすすめの東海地方エリアの山を2つご紹介します。

【愛知】猿投山

【愛知】猿投山

豊田市の北西部に位置する猿投山は、古くから霊山として知られています。東海道自然道の1つでもあり、史跡に富んだ猿投神社や、二ツ釜滝、菊石など見所も豊富です。途中まで車で登ることもできるので、初心者にもチャレンジしやすいですよ。

  • 標高:629m
  • アクセス:名鉄豊田線豊田市駅より名鉄バスにて猿投神社前バス停下車
  • 住所:〒470-0361愛知県豊田市猿投町鷲取

【岐阜】乗鞍岳

【岐阜】乗鞍岳

主峰の剣ヶ峰をはじめ、23の峰からなる乗鞍岳。登山口の畳平から1時間半ほどで山頂まで登ことができ、初心者にも気軽に登れる高山として人気です。日本の滝100選の1つ、三本滝や透き通った青色が特徴の鶴ヶ池、コバルトブルーの火山湖、権現池など山頂までにいくつもの絶景を楽しむことができます。

  • 標高:3,026m
  • アクセス:各方面より高速バスにて平湯バスターミナル下車。乗鞍スカイライン・シャトルバスにて畳平へ
  • 住所:〒506-2254 岐阜県高山市丹生川町岩井谷

山歩きのルールやマナーを押さえておこう

山歩きのルールやマナーを押さえておこう

山歩きを安全に楽しむためにも、山でのルールやマナーを押さえておきましょう。登山道では他の登山者とすれ違うこともしばしば。すれ違いは登り優先がマナーです。道を譲る際は山側に寄るようにしましょう。また、日が落ちてくると登山の危険性は一気に高まります。登頂が難しい場合は引き返すことも大切です。そういった事態に備え、日帰りでもヘッドランプは必ず持っていきましょう。

もし登山で道に迷った際は、位置が確認できる場所まで必ず引き返すことが重要です。出発時間を早めにスケジューリングしておくことで、余裕を持って安全に目的地まで向かうことができます。事前に天気予報を確認し、天候が悪くなるようなら登山を中止しましょう。予報が快晴でも雨具は忘れず準備しておくことで、変わりやすい山の天気にも対応できます。


初心者の一人登山は危険?

単独での登山は多くの危険があるため、特に初心者にはおすすめできません。まず、道に迷う危険があります。単独登山では1人でルートを選び、地図を読みながら山頂を目指すことになりますが、山のレベルが上がると登山道がないなど道に迷うリスクは高まります。

また、登山では常に怪我のリスクと向き合うことになるので、怪我をした際、1人では自力で手当てをして下山しなければなりません。この他にも単独登山には多くの危険が潜んでいます。
どうしても単独で山に登りたいという方は、標高が低く歩行時間が短いルートがある山を選びましょう。登山道が整備され、登山者が多い人気の山であれば、リスクも少なく単独でもチャレンジすることが可能です。ただし、装備や服装はきちんと揃え、準備を怠ることのないようにしましょう。


初心者なら、登山ツアーもおすすめ!

初心者なら、登山ツアーもおすすめ!

初心者でも、単独で気軽に参加できるのが登山ツアーです。同じくらいのレベルの登山者と一緒に登山を楽しむことができ、技術を学べるような内容のツアーもあるので1人で始めるよりもおすすめです。

ツアーをきっかけに登山仲間ができるかもしれませんね。ツアーの中には、山行計画や装備などの基本から学べるものから、人気の百名山を登る、テント泊で縦走を経験したい方向けなどさまざまなツアーがあります。ご自身のレベルにあったツアーを選ぶことで、楽しみながら経験を積むことができるでしょう。


安全に注意して、初めての山を楽しもう!

今回は初心者でも安心の、登山の始め方について解説しました。ここでご紹介した、登山に最低限必要な基本の服装や装備、初心者でも楽しめるおすすめの山を参考に、ぜひ初めての登山が楽しいものになるよう計画してみてくださいね。山でのルールやマナーを守り、安全に十分注意して山を楽しみましょう!